トルコの旅5日目

コンヤの朝

朝、出発まで少し時間があったので父と街を散策。
コンヤはトルコの中では宗教色の強い都市らしい。
朝ということもあって人影は殆ど無かったけれど、全身黒ずくめの女性が歩いていたりする。シーア派ですかね。
そういえば、昨日のスーパーにお酒が置いてなかった。
敬虔なイスラム教徒は戒律によりお酒を飲まないんだそうです。
トルコは98%がイスラム教徒だが、他イスラム国に比べて戒律が緩め。
大半の人がお酒は飲むし、ラマダン(断食)もしなかったりするらしい。
イスタンブールなど都会に行くと、スカーフも巻かずに欧米的なお洒落な格好をしたトルコのお嬢さんが普通に歩いているそうな。
ガイドさん曰く「原理主義ではなく便利主義」で戒律も都合よく解釈するんだと。
ちなみに、モスクに礼拝に行くのは人口の約30%、金曜の祈りの日にだけ行くのは60%ということです。


8:30出発。
インジェ・ミナーレ神学校
ここは外観のみ。浮き彫りが綺麗。

1267年(セルジューク朝)に立てられた神学校。
インジェ=細い、ミナーレ=尖塔。
ミナーレはモスクの玉葱ドームの脇に建っている細い鉛筆形の塔のこと。ミナレットとも呼ぶ。祈りの時間を知らせる為の塔。

現在、建物内はイスラム彫刻の博物館になっているそうです。


こんな写真を撮ってみた。あまり上手く撮れていないが。

イスラム神秘主義の一派であるメヴレヴィー教団の修道士のフィギュアを土産物屋で手にいれたので。
コンヤはメヴレヴィー教団発祥の地。
このような長い衣服(本当は白色)を纏って旋回して礼拝するらしい。
右手を天に向け智恵を神からいただき、左手を地に向け大地に渡す。
そして旋回しながら忘我の境に達して神との合一を目指すんだとか。
それにしてもこんな写真、宗教色の強い場所でちょっと不謹慎だったかしら…。


メヴラーナ博物館
メヴレヴィー教団の創始者、メヴラーナ・ジェラールッディン・ルーミーの霊廟。メヴラーナと名僧の棺が置かれている。
装飾が華美で大きな棺ほど、位が高いんだとか。
また、メヴラーナの服やコーランの写本なども展示されている。
イスラム教の預言者とされるムハンマドの「顎ひげ」は外国からもイスラム教徒が拝みに来るらしい。
観光客で溢れ返っているものの、やはりイスラム教徒が多く全体的に粛然とした雰囲気が漂っていてる感じがしました。
霊廟入口に掲げられているメヴラーナの語った韻文。
「あなたが外から見えるのと同じようになるか、または内面と同じように見えるようになるか、どちらかになりなさい」



ここから次のパムッカレまで約6時間の移動。
いやはや移動時間が毎日本当に長い。
大抵はどこまでも地平線な景色を眺めているか、寝ているかなのだが、ガイドさんが時折トルコについていろんな話をしてくれるのでそれをメモしてみたりもしている。
メヴラーナはイスラムの教えを上手く解釈した哲学者。最近はイスラム教徒以外にも彼の哲学に興味を持つ人が増えてきたらしい。
大雑把にまとめるとこんな哲学だそうだ。


この世の生活も夢の中である。死んだ時に夢だったと悟る。我々が眠る時に見る夢と同じ。死ぬことはそれほど悲しいことではない。神の近くへ行けるから。
この世にある全ての物は神が創った物。だからあらゆる物を大切にしなければならない。全ての物に存在する意義がある。意義や意味の無い物は無い。
神のことを感じれば感じる程幸せになれる。そのためには「愛すること」が大事。


凡そは納得できるのだが、「神」ありきの哲学なのだな。誤解を恐れずに言えばやはりその「神」という存在がいまいちピンと来ないんだよなあ。
キリスト教もそうだけれど、一神教というものが日本人の私にとっては馴染みないので。
ある程度まではなんとなく理解できるけどもね。こう、無意識的に感覚的に自然に飲みこんでいるかというとちょっとね。
教養・学問としてはすっごく興味があるんだが。きっともっと知ったら面白いんだろうとは思います。


という訳で、ガイドさんのお話を引き続き。
イスラム教がトルコに入ってきたのは1千年前。中央アジアで遊牧生活をしていたトルコ人が、冬の寒い時に万里の長城に阻まれて南下できず、西方へ移動。途中、中東のアラブ人と仲良くするためにイスラム教を取り入れた。
イスラムの経典には全ての預言者の名(40人)が載っている。例えばキリストも。
イスラム教では、キリスト教預言者も認めている。ただし、一番偉いのはもちろんムハンマドマホメット)。何故なら、預言者の中で一番最後に生まれたのはムハンマドだから。
そして、「イエスは神の子である」というキリスト教の教えだけは認めていない。イスラム教では、人間は人間であって神ではない、という考え。
イスラム教が生まれた場所は砂漠だったので、その当時の環境の厳しさから戒律ができた。厳しい環境の中でままならないことを、神への約束とすることで心安らかに生き抜く知恵だったのかもしれない。
例:食べ物がない!→断食!
  豚肉を食べると寄生虫によって腹下し!→豚肉禁止!


「chianchun、話がながーい!!」

…つ、つっこみをいただきました!すみません!



昼食のトルコ風ピザはちょいと微妙…だったが、初めて挑戦したアイランは旨かった。塩味のヨーグルトドリンク。チャイの次によく飲まれる国民的ドリンクなのではないかと踏んでいる。

休憩所で食べた蜂蜜ヨーグルトも美味でした。
ヨーグルトの発祥の地は実はトルコなんだそうです。あと、チューリップも。


パムッカレ

ここも楽しみにしていた場所。
トルコ語で「綿の城」という意味を持つ、温泉保養地。
真っ白い石灰棚(世界遺産)とヒエラポリス遺跡がある。
一時間しかないので遺跡は遠くから眺めるだけであきらめる。


石灰棚は大地上部から流れる石灰成分を含む湯が、長い時を経て結晶化して大地全体を覆ったもの。
白い棚を流れるブルーの水が大変綺麗。
上の方だけ足湯ができる。保存のために土足は厳禁。それから、湯を流す棚を毎日交代で変えるそうです。水が流れていない棚があるのはそのため。
ここから見下ろす景色も良くてなあ。

ずっと浸かっていたいくらいだったが何せ時間がない。
水着の外国人の姉ちゃんとかもいたんだぜ…!
遺跡のすぐそばにビキニの姉ちゃんなんて、日本じゃあとんと見られない光景ね!


今日のホテルはいかにもリゾート!てな感じのホテル。
プールも温泉もあった。
まあ、私は入りませんけれども。
そこにいた猫ちゃん。

トルコは猫が多い。
どこへ行っても必ず猫を見かける気がする。
そしてトルコの犬は超でかい。