独白するユニバーサル横メルカトル

独白するユニバーサル横メルカトル

独白するユニバーサル横メルカトル

2007年度「このミステリーがすごい!」第1位、2006年度日本推理作家協会賞受賞、そして個人的には帯の京極夏彦綾辻行人のコメントで否応なく期待が高まるのでありますが。
これ、ミステリーなのか?
ミステリー、推理小説として期待して読むと、かなり吃驚な感じです。
古本屋に新品同様なくらいの綺麗さで売られていて思わず買ったんだが、これ売った人吃驚して即座に売ったんじゃないかしら…と邪推。
表題作はミステリーなのか、うん。
いや、広義だと全部ちゃんとミステリーなんだろうけど、個人的にぱっと想像するものとは少し様子が違かったもので。ミステリーといえば本格物、みたいな偏ったイメージなので…スミマセン。
ミステリーの定義は何かとかなると面倒なのでジャンル云々はまあどうでも良いとして。
表題作を含む、8編の短編集。
話によって多少色合いが違うけれど、全体的にグロくて不快な描写が盛り沢山。
でもそんなに嫌悪感はないかも。割と読めてしまうんだよなあ、この手のもの。
中高生時代、ホラーを読み漁っていたあの頃の感覚を思い出した。なんかこの感じ懐かしいわ。
「Ωの聖餐」「卵男」「すまじき熱帯」あたりはぐいぐい読んでしまった。
うーん、こういう感じ好きなのだろうか、私。
表題作の「独白するユニバーサル横メルカトル」は、地図の独白で。これもなかなか好き。
この本自体、面白いか好きかと問われると、どうだろうと言ったところでありますが、読んで損はなかったなという感じ。割と楽しめたかな。
とかなんか、恐る恐るまわりもって言ってみたりしてるけども……けっこう好きなんじゃないかな!
が、人に勧めるのは憚られますなあ。