イルカ王子

紅茶に溺れました。
もう一回言っていいですか。
紅茶に、溺れました。
妄想でも比喩でも何でもなく。
まあつまりは紅茶飲んでむせたってことなんだけども。
…こらーつまんないって言うなー
こちとらあわば溺死寸前だったんすよ!
紅茶飲んだ瞬間に放たれた友人の言葉が、紅茶を飲み込むタイミングを誤らせまして。
気管の入口あたりでごぼごぼごぼごぼ。
幼い頃海で溺れかけた時と同じ状態でしたよ。
ほんとに。
藁なんぞ掴んだところで助かりゃしません。
ここでイルカに乗った王子とかがやってきて助けてくれたりしたならば、溺れがいもあるってもので。
華麗にイルカを操ってすぐさま溺れる私の元へ。
超迅速で的確な心肺蘇生を施す仕事の出来るイルカ王子。
素敵!
去り際に「もう溺れちゃ駄目だよ…僕にもね!(きらん)」
うあーー嫌だ嫌だそんなイルカ王子!
そんなこと言われた日にゃ冷凍マグロで殴ります、そりゃもう執拗に。
靴ん中に釣り針とか入れてやります、そりゃもう陰湿に。


えと。
気を取り直しまして。
そんな訳でしばらく喉の奥がひりひりしておりました。
気をつけよう。
人間いつ何時溺れるやもわからない。
…や、だから比喩ではなくてですね。
人生どこに落とし穴があるかわからないってことですよ。
…これは比喩。