KOTOKO

会社帰りに映画『KOTOKO』を観に行ってきた。
塚本監督が登壇の特別先行上映会で観ているので二度目。
途方もない愛に今回も打ちのめされてきたぜ…。





凄まじい映画だった。
穏やかに観られるような映画では決してない。
痛くて痛くてたまらないのに、何故か生きることへの希望が仄かに体を包み込むようなそんな映画。
世界が2つに見えてしまう母親が、息子を守ろうと必死になればなるほど不安や恐怖で世間に埋没できずに精神のバランスを崩してしまう。
暴力や血や特殊メイクの塚本演出に初見はとまどったが、でも根底で轟々と流れるのは圧倒的な愛なのだろう。
面会に来た息子が現実なのか幻影なのか、この物語のラストにはきっと様々な解釈があると思うけれど、私はやはり光が射す方がいい。
Coccoがとにかく美しかった。
雨の中白いワンピースで舞うシーンは、塚本監督が長年撮りたかったというだけあって、理屈抜きで素晴らしかった。
手作りのカラフルな小道具が弾けるシーンは何回でも観たい。
沖縄の浜辺で息子と遊ぶシーンも好きだ。
あと、風呂場から血まみれの腕だけ出してタオルの場所を指し示す琴子と、慌てふためいて風呂場と箪笥を往復する田中のやりとりが割とツボだったりする。