文芸漫談『仮面の告白』

金曜夜は下北沢タウンホールで催された、
いとうせいこう×奥泉光「文芸漫談3 三島由紀夫仮面の告白』」
に行ってきました。
のっけから奥泉氏、「我が家にはホットカーペット運がない」というマクラをやわらかーく飛ばしてらっしゃいました。
文芸漫談参加3回目にして、ようやく奥泉氏の味わいがわかってきた気がする…!
今回は三島文学!
…とはいえ、若干肌に合わないというか、すごいことはなんとなく理解はできるのだけども、とまどうんですねえ、あの硬質な美麗っぷりとぱきっと盛りっとした修辞のオンパレードに。
だからこそ、三島文学をこのお二人がどう笑うのか楽しみにしておりました。
笑う、とは、馬鹿にするとか嘲りではなくて、尊敬の念を持った上でブンガクを笑って楽しもうというという姿勢なのは言わずもがな。
せいこう氏が、三島由紀夫を読む時は構えてしまう、三島好きと太宰好きがいたらその狭間で様子を窺いつつやっぱり下手なことは言えないよね!と。
私もその立ち位置です…!
今のところ太宰寄りではあるけれど。(全作読んでいないひよっこなのでやっぱり下手なことは言えない…!)
昭和初期の戦時下を生きる主人公が折に触れて己が同性愛者だということに気づき確信し、女性(園子)とも付き合い、でもやっぱり男が好き、…という話。(浅く端折りすぎ)
割とお二人ともちょこちょこ辛口を繰り出すのに笑った。
文体やレトリックはそりゃあ見事だが逆にそれだけじゃーとか、このへんの比喩はうざいメンドクサイ、云々。
でも、そこを切り取って改めて吟味してみると可笑しいんだよなあ、確かに。
仮面の告白』はキュートな小説、いいぞ由紀夫!頑張れ三島由紀夫!…という最終的な奥泉氏の結論。
うーん、もう一回再読しようかなあ。


次回は横光利一『蝿』。…この人全く読んだことない。
その前に番外編、川端康成伊豆の踊り子』。
映画も上映するそうで、これまた是非とも行きたい。