ルノアール

あれはそう、ウン年前。
大学受験のために上京した田舎娘が初めて渋谷という地に足を踏み入れた時、その混沌とした街を彷徨ってやっとたどり着いた喫茶店、その名はルノアール
おお、都会の喫茶店の紅茶はこんなにも高いのか!
椅子はこんなにもふかふかなのか!
と、カルチャーショックを受けた覚えがあります。
何よりも、テーブルと椅子の間隔と高さのバランスにうろたえる。
なんかわからないけどきっとこれが都会のお洒落なんだ…と必死に前のめりになってミルフィーユを食べようとしてみるが、どうにも食べにくい。
挙げ句の果てに絨毯の床に膝をついて食べるという暴挙に出る。
でも、こんな田舎高校生の暴挙をも許してくれているような気がするよ、都会って思ったより怖くないかもしれない。
そう、私の中で渋谷の原点はルノアールなのだ…!