水木しげる大先生卆寿祝い

昨日、「調布市名誉市民水木しげる卆寿記念〜妖怪の棲むところ〜」に行ってきました。
私が尊敬する人々の中で最高齢である水木しげる大先生に会えるかもしれないという期待ではちきれんばかりになりつつ!


1部は調布市鳥取県境港市岩手県遠野市徳島県三好市の妖怪まちおこしについてのパネルディスカッション。
やはり朝ドラの「ゲゲゲの女房」特需はすごかったようです。
妖怪でまちおこしって素晴らしいことだ。
境港市に未だに行けていないのが割と気になり続けている。
化け大生の風上にも風下にも置けない、自分…。
近いうちに必ずや行きたい。


1部終了後に満を持して、水木しげる大先生と奥様が登壇!
中央に来て挨拶を…、と思いきやなんともキュートな足取りで客席に尻を向ける大先生、素敵すぎる…!
「呆けたフリをする」という高度な卆寿ギャグらしいです。な、なんてお茶目なんだ!!
飄々とつかみのボケをかましてくる90歳はそうそういないですよね、ほんとに。
この堂に入った飄々ぶりはもはや神々しさすら感じる…!


2部は水木大先生の愛弟子、京極夏彦氏と荒俣宏氏の講演。
京極氏はもちろんのこと、荒俣氏も楽しみにしていました。
心なしか、弟子のおふた方も徐々に妖怪じみてきている気が…!(褒め言葉)
卆寿記念ということで、弟子から見た大先生のあれやこれや、水木流幸福論など、大先生のスライド写真を流しつつ大変面白い話を聞けて大満足であります。


やりたくないことはやらない。その代わり好きなことやりたいこと出来ることを見つけて尋常じゃない努力をする。その才能に長けている。
漫画などの天賦の才能は勿論あるけれども、努力という才能が水木しげるを形作ってきたのだと、お二人とも力説しておられました。
それに、努力は時に人を裏切るということも大先生は身にしみて知っているんですよね。
頑固さと柔軟さを持ち合わせているってのは強いよなあ。


人間、幸福になるには3Kと3Wが大事らしい。
3K→「食う」「買う」「いびきをいて寝る」
3W→「笑う」「忘れる」「驚く(wonder)」
いっぱい食べていっぱい寝る、そして経済活動。なんとも明瞭。
大先生は3K&3W使いの名手らしいです。


「びっくり感度が大切
びっくり音痴になっては駄目」

好奇心は人間の活力の源であるというのは高速で頷ける。
10年前に荒俣氏が大先生の付き添いでカナダのトーテムポールを見に行った時の逸話に笑った。
そもそも、80歳でトーテムポールを見に行くという好奇心と行動力にこちとら感服なんですが。
いざ目の当たりにし、びっくり感度MAX状態で放った御大の一言。
「アラマタさー−ん!この電信柱はなんですかーっっ」
大先生、こんな時でもボケをかます。あっぱれ。


私が一番苦手なのは「忘れる」ことかもしれない。
嫌なことばかりねちねちと忘れないというね。根がネガティバーなので。
「水木サンは最近のことはほとんど忘れます、今でも一番覚えているのは戦争の時のことです」というようなことを御大がおっしゃっておられました。


水木大先生の名言「なまけ者になりなさい」は、人間はごろごろしている時が至福なのだから、それを手に入れるために努力しなさい働きなさい、そして正々堂々となまけ者になりなさい…というような意味らしい。なるほどー。
これ、私みたいな根っからの怠け者が言葉通りに受け取ったらだいぶ大変なことになるよなあ。危ない。


やっぱり戦中戦後を生き抜き90年生きてきた人は格が違うわー。
40歳すらも「生まれたて」らしいです、大先生からすると。
最後に再度登壇されてまた飄々とお茶目っぷりを披露されておられました。
荒俣氏「人間の心臓は120歳まで動くことが医学的に証明されているそうですが?」
大先生「まだまだいける」
最終的に、130歳くらいまでは!130歳記念でお会いしましょう!みたいな話になってました。
大先生ならいける気がする…!
いつまでもお元気でいてくださいませ。